ニュース・お知らせ
【お知らせ】日本学術会議 臨床医学委員会より 「医療従事者の放射線管理に関する御報告」のご案内です
2025年12月3日
公益社団法人 日本診療放射線技師会
会長 上田 克彦
診療放射線技師の皆さまへ―放射線安全は「誰か」ではなく「私たち」がつくるもの
医療従事者の職業被ばく管理について、日本学術会議の要請と日本医学放射線学会の研修ビデオ・ガイドラインが示されています。これは、IVRや透視下手技の現場でなお残る課題(個人線量計の装着不徹底、防護具の不使用、責任体制の不明確さ等)を、私たち自身の実践で改めていくための具体的な拠り所です。診療放射線技師は、放射線安全の専門家として、院内の安全文化を先導する使命があります。いま一度、「自分が安全をつくる当事者である」という自覚を共有しましょう。
とりわけ、①放射線管理責任者の明確化と権限付与、②X線診療を含む安全管理規程の整備、③定期的かつ実効的な教育訓練、④個人線量計と記録に基づく線量管理の徹底は、すべての施設で即時に取り組むべき要点です。
時間・距離・遮蔽の三原則、防護眼鏡・防護衣・防護板の確実な使用、タイムアウトでの装着確認を"型"として根付かせましょう。
本会は、次の行動を強くお願い申し上げます。
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研修会への参加が難しい職種への研修としてビデオ利用も可能ですので、参考にしてみてください。
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個人線量計の装着位置・記録・レビュー、防護具・防護設備の点検を定例化し、未履行は必ず改善する。
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線量データに基づく業務見直しや手技運用の改善を提案・実装し、監査可能な記録様式を整える。
診療放射線技師一人ひとりの確かな行動が、仲間を守り、患者の安全と医療の質を高めます。
詳細は下記の案内をご確認ください。
令和7年度スローガン「安全と信頼、診療放射線技師の使命と責任を果たそう」を、今日から各現場で具体的な行動に移していただきますようお願いたします。
記
日本学術会議 臨床医学委員会
放射線・臨床検査・病理分科会
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
医療従事者の職業被ばくにつきましては、高線量被ばく者の存在等が労働安全上の問題とされているのはご承知の通りです。日本学術会議 臨床医学委員会 放射線・臨床検査・病理分科会は、本課題に関し、令和5年9月に見解「医療従事者の職業被ばくに係る放射線管理の改善に向けて」を発出しました。本文書のとりまとめに際し、ご協力いただきましたことに感謝申し上げます。
本見解を受けて、本年10月に日本医学放射線学会から研修ビデオおよびガイドラインが公開されました。研修ビデオは放射線診療従事者の院内研修での活用を目的としたものであり、ガイドラインは放射線診療従事者の安全管理の標準に関する日本医学放射線学会の見解を示したものです。
つきましては、貴会の皆様にも周知願えれば幸甚に存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
資料1_見解_医療従事者の職業被ばくに係る放射線管理の改善に向けて.pdf
以上
