ガイドライン・マニュアル
公益社団法人 日本診療放射線技師会で策定しているガイドラインや指針・マニュアルをご紹介します。
日本の診断参考レベル(2020年版)の概要と運用上の注意点
はじめに(本会における医療被ばくガイドラインの変遷について)
本会は、2000年10月に「患者さんのための医療被ばくガイドライン(低減目標値)」を会告した。
これは放射線診療(診断・核医学分野)で使用する放射線量の適正化を、われわれ診療放射線技師が責任を持って実践するよう、具体的な指標を提示したものである。
さらに2006年には「放射線診療における線量低減目標値-医療被ばくガイドライン2006-」として改訂された。この取組みが2007年度厚生労働科学研究費補助金(医療安全・医療技術評価総合研究事業)「医療放射線の安全確保に関する研究」の分担研究「医科領域の診断参考レベルの検討」として報告され、医療被ばく管理の重要性と診断参考レベルの必要性が認識されたのである。
2015年6月7日、本会も参加する医療被ばく研究情報ネットワーク(Japan Network for Research and Information on Medical Exposures: J-RIME)より、「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定」(DRLs2015)が公表されたのを受け、DRLs2015を補完することを目的に「医療被ばくガイドライン(診断参考レベル DRLs2015の公表を受けて)」として改訂したところである。
また、2020年7月3日に発表された「日本の診断参考レベル(DRLs2020版)」では対象項目が充実したことで、本会が示した「医療被ばくガイドライン」の項目に追従した。医療被ばく管理に一石を投じたわれわれの医療被ばくガイドラインが、日本の診断参考レベル策定へと成長した今、その役割は終えたと考える。
長年に渡り医療放射線防護の最適化の指標として慣れ親しんだ「医療被ばくガイドライン」は、われわれの誇りである。今後は、さらに放射線防護の最適化を推進すべくDRLs2020の適用に努力していただきたい。
「日本の診断参考レベル(2020年版)の概要と運用上の注意点」とは
「日本の診断参考レベル(2020年版) の概要と運用上の注意点」は、DRLs2020に関する情報提供と
運用上の注意事項の周知を目的として、日本診療放射線技師会誌(JART誌)10月号(2020年・第67巻 第10号 通巻816号)収載された特集記事である。
日本の診断参考レベル(2020年版)については、J-RIMEホームページより「DRLs2020」として公開されているので、そちらを精読していただくことをお願いする。
医療の制限が患者の不利益にならないように,医療被ばくには線量限度が設けられていない。よって正当
化と最適化の原則を順守し、最適化を行うための重要なツールが診断参考レベルである。
ICRPは2017年にPublication 135として診断参考レベルに関して包括的に論じており、DRLs2020でも随所にPublication 135の概念が取り入れられている。
DRL値やDRL量、または入射空気カーマ(Ka,i)など、DRLs2015では採用されていなかった概念が取り入れられているため、「DRLの設定に用いたDRL量および関連用語」も併せて確認されたい。
「日本の診断参考レベル(2020年版) の概要と運用上の注意点」は、これらの新しい概念を含めDRLs2015からの変更点を中心に解説したドキュメントである。
「日本の診断参考レベル(2020年版)の概要と運用上の注意点」
「日本の診断参考レベル(2020年版) の概要と運用上の注意点」は、下記より閲覧可能です。
日本の診断参考レベル(2020年版) の概要と運用上の注意点(PDF)
参考資料
本ページは、DRLs2020の公開に伴い、退役した過去の資料です。
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感染症対策ガイドライン
感染症対策ガイドラインとは
Version1.1に改訂されました。
日常診療において、患者と濃厚に接触する機会の多い診療放射線技師は、自身が感染しないよう、そして院内感染の媒体とならないためにも、感染予防策に対する十分な知識と技術を持ち、適切な予防方法の選択と実施及び環境整備を行う必要がある。その前提として、標準予防策や感染経路別予防策及び感染対策マニュアル等を十分に理解し、確実に履行することを目的としてガイドラインを作成した。
さて、2019年12月に中国湖北省武漢市に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は急激な勢いで感染者数が増加し、世界各国に感染が拡大した。国内でも感染者数は日々増加し、2020年4月7日には緊急事態宣言が発出され、その後もウイルスの感染拡大は衰えることなく2波、3波と続いている。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、放射線診療においても従前の想定を超えた影響を及ぼしていることから、診療現場においては、より確実な感染防止策を取った適切な検査の施行が求められている。
このような背景より、「診療放射線分野における感染症対策ガイドライン」改訂の必要性が高まり、このたび本委員会において改訂する運びとなった。
本ガイドラインの作成に際しては、厚生労働省「医療施設等における感染対策ガイドライン」や複数の施設の感染対策マニュアルを参考にし、新たに追加する新型コロナウイルス感染症関連は参考例を提示することとして、改訂に至った。 日常の診療現場において本ガイドラインを活用していただき、多くの患者に安全な放射線診療が施行され、院内感染の防止につながれば幸いである。
なお、本ガイドラインは、本委員会が感染症対策をとりまとめた時点のものであり、将来、必要に応じて適宜改訂されるものである。
放射線検査説明に関するガイドライン
平成22年4月30日の厚生労働省医政局長通知「医療スタッフの協働・ 連携によるチーム医療の推進について」(医政発0430第1号)を受け発足した公益社団法人日本診療放射線技師会 検査説明分科会(旧 放射線検査説明・相談促進委員会)にて検討を重ね平成25年2月に報告書として提出させていただきました。
その後、会員各位ならびに関係者の方々から種々のご意見をいただきました。この場をお借りして、ご意見いただきました皆様に深く感謝申し上げます。
いただいたご意見を基に、併せて誤字・脱字を修正させていただき、平成25年12月に株式会社医療科学社より「放射線検査説明の手引き―検査説明書・FAQ・ガイドライン―」として発刊させていただきました。
都合上出版物をそのままダウンロードすることはできませんが、修正前のものは下記にてダウンロード可能です。
本分科会では、全国の医療機関における放射線検査の説明や確認事項について、施設や個人に よって、その内容・方法・時間等にかなりの幅や差があることを踏まえて、国民一人ひとりが安心 して放射線検査を受けていただくことを目標に、全ての診療放射線技師が責任をもって説明にあたものとして策定しました。
令和に入り実務として対応したうえでの問題点や会員からの向上的な多数意見に基づき分科会で討議した結果、ガイドラインの見直しを図ることとし、基本的な骨子と構成についてはそのままに以下の点を更新ならびに追記しました。
- 放射線治療における説明ガイドライン
- 医療被ばく説明ガイドライン
- 検査説明に必要なスキル
- 各項目の更新および修正
是非、趣意を理解いただき、全国一人ひとりの患者さんが安心して検査を受けて いただけるように、効率的かつ効果的に活用いただく事をお願いする次第です。
以上
公益社団法人 日本診療放射線技師会
検査説明分科会
診療用放射線の安全利用のための指針モデル
診療用放射線の安全利用のための指針モデルとは
公益社団法人 日本診療放射線技師会 会長
上田 克彦
2019年3月11日に医療法施行規則の一部を改正する省令(平成31年厚生労働省令第21号)が公布され,診療用放射線の安全管理体制整備について2020年4月1日に施行されています.
このことにより,エックス線装置などを備える全ての病院・診療所は「医療放射線安全管理責任者」を配置すること,医療放射線の安全管理のための指針を策定すること,医療放射線に係る安全管理のための職員研修の実施,放射線診療を受ける者への情報共有,さらに保有する装置により,医療被ばくの線量管理・線量記録を2020年4月1日までに準備することが求められました.
本会では,「診療用放射線の安全利用のための指針モデル」を作成しました.これは,各病院で策定しなければならない「指針」のひな形として作成したものです.
本会で開催する医療放射線安全管理責任者講習会にて,このひな形について,及び法令で求められる放射線管理の詳細について解説しています.
このひな形を公開していますので,各病院でご活用いただければ幸いです.
なお,指針策定にあたっては,厚生労働省から発出された「診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドライン」等を併載していますので、併せてご参照ください.
診療用放射線の安全利用のための指針モデル_JART_20201122版
診療用放射線の安全利用のための指針モデル_JART_20201122版
20201122版の変更点
- 日本の診断参考レベル(2020年版)(Japan DRLs 2020)の公開に伴い変更いたしました。
- 基本的な内容の大きな変更はありません。
厚生労働省医政局地域医療計画課長通知と診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドラインを下記に併載します。
別添資料:医療に用いる放射線に係る安全利用のための指針の策定について_ガイドライン
以上
災害支援診療放射線技師行動マニュアル
本会はこの度、大規模災害対策規程ならびに災害支援認定診療放射線技師規程に基づき、 原子力等災害および大規模自然災害時に、会員より募集・登録した災害支援診療放射線技師を派遣し、被災地のニーズに応じて支援活動を実践するための体制および対応方法を定めた、災害支援診療放射線技師行動マニュアルを策定致しました。
ここに公開致しますので、災害支援認定診療放射線技師規程に定める災害支援認定診療放射線技師資格の取得と併せて、ご活用頂きますようお願い致します。
会場型講習会開催ガイドライン
1.2023年度4月から本会主催の会場型講習会・イベントのすべてにおきまして、利用規約のキャンセルポリシーに変更がありました。
2.2023年度5月8日から、政府方針の変更に伴いコロナウイルス感染症が2類から5類に変更されることにより、会場型講習会開催ガイドライン内容の変更を行いました
診療放射線技師へのタスク・シフト/シェアに関するガイドライン
診療放射線技師へのタスク・シフト/シェアに関するガイドラインとは
医師の働き方改革として、診療放射線技師への業務シフトが進められ、2021年5月に法改正で業務範囲が拡大されました。新しい業務には造影剤投与のための静脈路確保などが含まれ、これを行うためには告示研修の修了が必須で、2023年には約1万7千人が修了しています。
安全な業務運用のため、日本医学放射線学会と日本放射線科専門医会・医会が中心となり、ガイドラインが作成されました。このガイドラインは、技師が実施可能な業務範囲と医師が行うべき業務範囲を明確にし、医療施設でのプロトコールに沿って業務を行うことで、リスクを低減し、安全に業務シフトを推進するためのものです。このガイドラインに沿って各施設でタスク・シフト/シェアを推進ください。
聴覚障がい者のための放射線部門におけるガイドライン(改定版)
聴覚障がい者のための放射線部門におけるガイドライン(改訂版)とは
本ガイドラインは、2021年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が改正され、2024年4月1日から障がいのある方への合理的配慮が義務化されたことに伴い、改定を行いました。このガイドラインを御活用いただき、聴覚障がい者の方への合理的配慮の必要性と理解を深め、皆様のご施設で安心して医療を受けられる環境づくりへご利用いただけますよう期待いたします。
(公開)検査説明用ビデオについて「検査説明委員会」
私たちのビデオについて
日本診療放射線技師会 検査説明委員会 では、放射線を用いた各種検査についてわかりやすく説明するビデオを作成しました。これらのビデオは、一般の方向けに作られており、放射線技師の役割や検査の流れ、安全対策についてご理解いただける内容となっています。
また、診療放射線技師の皆様にも活用できるビデオとして作成いたしました。放射線の使用に関する安全管理の手順を詳しく説明しています。安全対策を徹底し、患者様と自身の安全を守るための参考にしてください。各種放射線検査の手技や注意点を詳述しています。新人技師のトレーニングや、技術の再確認にお役立できると思っております。
ビデオの視聴方法
以下のリンクから、各ビデオをご覧いただけます。
※ユーチューブのサイトに遷移します。
検査説明ビデオの配布チラシ
検査説明ビデオの内容を紹介する配布チラシもご用意しています。こちらからダウンロードしてご利用ください。