公益社団法⼈ ⽇本診療放射線技師会の概要

 公益社団法人 日本診療放射線技師会は、会員の職業倫理を高揚するとともに、診療放射線学および診療放射線技術の向上と発達、ならびに公衆衛生の向上を図り、もって国民の健康維持に寄与することを目的として昭和22年に設立した、厚生労働省所管の公益法人です。
 診療放射線技師の関わる画像診断部門や放射線治療部門の進歩は目覚ましく、常に最先端の知識や技術が必要とされています。本会では各種認定機構とも連携 し、生涯学習セミナー、各種講習会、学術大会など、数多くの学習の機会を設け、診療放射線技師全体の資質向上に取り組んでいます。これらの事業は、国民に 対する私たち医療人の責務と考えています。
 私たちは、放射線を冠する唯一の医療職種として、医療被ばくの低減を推進するとともに、地位向上と広告のできる専門技術者の実現に力を注ぎ、皆さまと一緒に安心で安全な医療の提供に向けて事業を推進していきたいと考えています。

綱領

1. わたくしたちは、医療を求める人々に奉仕します。
We will render our services to those in need of health care.

1. わたくしたちは、チーム医療の一員として行動します。
We will act as individual members of a health care team.

1. わたくしたちは、専門分野の責任をまっとうします。
We will perform our duties in our field of specialty.

1. わたくしたちは、人々の利益のために、常に学習します。
We will continue to study for the benefit of mankind.

1. わたくしたちは、インフォームド・コンセントを尊重し、実践します。
We will respect and practice the policy of informed consent.

診療放射線技師の倫理綱領

 診療放射線技師は、放射線医療に関する法令の知識を深め維持する必要がありますが、法令は必ずしも能動的義務を定めているわけではありません。一方、職業倫理は、すぐれた放射線医療を提供する上での基礎であり、能動的義務を生み出す原則に基づくものです。
 診療放射線技師に与えられる権利に相応する姿勢を示すことは、倫理的義務の一つです。患者および社会に対する倫理的義務を遵守するため、倫理綱領の策定が必要となります。
 本倫理綱領は、診療放射線技師に期待される倫理的かつ責任ある行動を明確に示すものです。診療放射線技師は、本倫理綱領に明記される価値観と行動を理解、実践し、奨励する責任があります。
 本倫理綱領は、診療放射線技師が、患者や他の医療スタッフに対する自身の専門行為を評価するための指針であり、高い水準の倫理的行為を維持し、患者に安心・安全な医療を提供することを目的としています。
 本倫理綱領に示される義務は、行動に対する責任を示すものです。診療放射線技師は、患者や他の医療スタッフ、社会・環境、そして自分自身に対する義務を負います。

患者に対する義務:

1.患者の権利と最善の利益が、最も重要なものとして尊重します。
2. 診療放射線技師は、技能を習得した検査のみ実施します。
3. 患者に最も適切な医療の提供に貢献します。
4. 診療放射線技師の権限を乱用しません。
5. ALARAの原則を実践し、不必要な放射線被ばくを制限します。
6. 常に患者情報の守秘義務を厳守します。
7. インフォームドコンセントの原則を順守し、患者の検査・治療の決定について適切な情報を提示しサポートをします。
8. 人種、国籍または肌の色、性別、性的指向、宗教、疾病の種類等に関係なく、全ての個人を尊重し、尊厳をもって接します。
9. 診療放射線技師の知識、責任の範囲内で、患者と家族の質問に対して誠実に答えます。
10. 安心・安全な医療を提供するため、患者および他の医療スタッフと協力し、意見交換を行います。

他の医療スタッフへの義務:

11. 他の医療スタッフを尊重します。
12. 患者や他人に対して、医療スタッフや医療施設に関する根拠のないコメントをしません。

社会・環境に対する義務:

13. 医療(放射性)廃棄物を適切に処分し、環境保護に努めます。
14. 検査環境の潜在的なリスクを解消または最小限に抑えるための措置を講じて、患者および医療スタッフの安全を確保します。

自分自身に対する義務:

15. 診療放射線技師の専門的立場を自覚し、プロ意識をもって従事します。
16. 生涯学習に取り組み、専門的水準を維持、向上することに努めるとともに、エビデンスに基づいて臨床業務を行います。
17. 業務に支障をきたさないよう、常に自身の健康管理を行います。
18. 職業上の行為及び決定に責任を負います。
19. すべての口頭および書面による説明は、真実、かつ明瞭簡潔でなければなりません。
20. すべての業務が適切で、利益相反にならないことを確認します。
21. 国民の信頼のもとに業務を遂行し責務を果たすことにより、高度専門医療職としての職能維持に努めます。
22. 診療放射線技師として、医療安全上の不適切行為や、非倫理的行為等に対して積極的に助言します。
23. 放射線技術分野において、研究文化の醸成に寄与します。
24. 関連法令を遵守します。