最近よく耳にする『NBCテロ』の中で、我々放射線管理士が関係すると考えられる『放射能テロ』に関し、原子力緊急時支援・研修センターの渡辺文隆先生をお招きしてご講演を頂いた。渡辺先生は、「原子力緊急時対応体制に関する米国調査」に参加され、日本での「放射能テロ対策状況調査委員会」の委員も務められており、その豊富な経験から放射能テロとその対応について、大変わかり易い丁寧な解説を頂いた。
放射能テロをめぐる経緯から、アメリカでのテロを起こさないための対策と起こった後の対処について、また日本での対応体制の現状についても述べられ、放射能テロとはどんなものなのか、どんな特異性があるのかが良く理解できる内容であった。また、アメリカの対応チームの紹介から実際の訓練模様についても、実際に調査に加わった当事者ならではの詳細な解説を頂いた。
「日本人は危機管理能力が低い!」といわれますが、"世界一安全な国"に生活している我々には、そんな能力は育たないのかも知れません。しかし、世界一危険な都市ニューヨークと言われる中心地を持ち、常に攻撃される側にある国といっても過言ではないアメリカ人はどうでしょうか。攻撃を受ける不安を常に持っているからこそ、危機への備えが実効性を帯びてくるという事。常にテロに直面しているアメリカは、その対策にかける費用も莫大で真剣である事が感じられました。
我々の中で「いつかは日本でテロが起こる!」と考える者がどの位いるでしょうか?
いつか起きた時のためにどのような準備が必要かを考える者は果たしているでしょうか?
渡辺先生が閉めの言葉として「放射線技師の皆様に放射能テロに興味を持って頂いて有難い」とコメントされていました。もし有事の際には、我々が初動において最前線に立つ可能性も高いと考えます。我々放射線管理士ももっとこの問題に関心を持ち、実践的な対応についても学んでいかなければならないと感じました。
|