金木犀の花の香りが、ほのかに漂う季節となった平成16年10月9日、全水道会館(東京都文京区本郷)で第1回放射線管理士セミナーが開催された。
あいにく台風22号が夕方から夜にかけて、東海地区から関東に上陸する予報がでていたので、参加状況が非常に気がかりであったが、北は山形、南は兵庫県から40名ほどの参加があった。
講演は、「原子力防災訓練の実際」と題して茨城県管理士部会会長 横田氏による、1999年に起きたJCO(ウラン燃料加工工場)の事故と茨城県が実際に行っている防災訓練の話であった。JCOの事故について、アメリカ調査団は「性善説を前提に安全対策を講じる日本に問題がある。」と報告しており、またNatureは「事故の責任は、科学技術庁の作った仕組みだ。」と発表している事を講演で聞き、残念ながらうなずけるものがあった。違う視点からみる安全対策も充分考えていかなければならないと痛感した。そして、事故後のJCO施設は、事故を風化させないようレプリカで残されるというとても興味深い内容であった。
また、茨城県の原子力防災訓練に診療放射線技師(放射線管理士)が、第一線で活躍している姿をビデオで見て、とても頼もしさを感じた。
次に、放射線管理士部会長 山森氏によるGM計数管式サーベイメータの構造と取り扱いの実習、さらに放射線災害時の被ばく線量の推定計算の方法の講義があった。GM計数管式サーベイメータの動作バッテリーは、特殊なバッテリーではなく通常の単二電池で作動するという基本的な話から始まった。そして、実際に放射線災害が発生し、人体をサーベイするにはどのレンジから使ったら良いのかということを、模擬線源の塩化カリウムを使い実習を行った。最後に、被ばく線量の推定方法を学んだ。このセミナーを受けられた方は、もし原子力災害が発生し、偶然に事故に遭われた人が被ばく相談に来られても、被ばくした線量をきちんと計算し提示することができるようになったのではないでしょうか。
今回のセミナーは、立派な実務研修用テキストが配布され、短時間ではあったが内容が充実し、全員が実習することができ大変有意義であった。