日本医用画像管理学会
 
平成16年度春季学術講演会
 「−医療画像情報管理へのアプローチ−」
2004.6.15 New
平成16年度春季学術講演会
 
「−医療画像情報管理へのアプローチ−」開催について
2004.4.30
「医用画像管理士」認定試験の延期について 2004.2.3
平成15年度日本医用画像管理学会 総会、学術大会開催報告 2003.12.3
平成15年度日本医用画像管理学会 総会・学術大会のご案内 2003.9.2

平成16年度春季学術講演会
「−医療画像情報管理へのアプローチ−」
編集担当理事 飯野 克郎
 2004年5月22日(土曜日)13時から18時まで、東京大学医学部臨床講堂にて平成16年度日本医用画像管理学会春季学術講演会が開催された。前日の台風2号が過ぎ去ったばかりにもかかわらず、会場には関東近郊以外の沖縄、鳥取など遠方からの参加があり関心の強さを感じた。参加者数は60名(会員19名、非会員33名、理事・監事8名)であった。本学会講演会の概要について報告する。
開会挨拶  13:00〜13:30
 池田龍二総務理事(熊本大学医学部附属病院)の総合司会で講演会は開始された。
 阿部一之会長(佐賀大学医学部附属病院)の開会挨拶に始まり、引き続き阿部会長から学会の紹介を行い、学会設立の経緯、役員紹介、今後の活動計画、関連する学術講演会開催の紹介などの説明が行われた。また、日本医用画像管理学会は医用画像情報管理をとりまく環境変化に対応し、今後の医用画像情報管理を将来に繋げるために、具体的な活動を行っていく旨の報告が行われた。
委託研究紹介 13:30〜14:00
 13時30分から、日本医用画像管理学会阿部一之会長から「委託研究紹介として「医用画像情報管理士制度に関するガイドラインの構築」「医用画像情報管理士に必要な教育課程の研究」について、医用画像情報の管理を遂行するために必要な認定制度の検討、医用画像情報管理に関する教育内容について研究を行うと説明された。また麻生智彦学術・企画理事(国立病院機構災害医療センター)から「医用画像運用に関する実態調査と標準化」のテーマで医用画像運用に関する実態調査を行い、運用状況を把握した上で、医用画像管理システムにおける運用の標準化を図るため、全国規模のアンケートを実施する旨の案内が行われた。
学術講演1 14:00〜15:00
 東芝メディカルシステムズ 金子宏先生による「PACSにおける医用画像管理」の講演が行われた。RIS/PACS/レポートについて、社会的背景、技術的背景、歴史的背景、目的の移り変わりについて説明し、医用画像管理のワークフローでは、システムと規格、IHEのねらい、統合プロファイル、フィルムレス化の目的、フィルムレス化で注意すべき点、システム導入に当たって、システム導入手順、システム要求・仕様の取りまとめ等についての解説が行われ、熱心な質疑応答があり、非常に有益な講演が行われた。
学術講演2 15:10〜16:10
 東陽テクニカ 河野喜生先生による「フィルムレス時代のモニタ管理」というテーマで、医用画像診断モニタとの関わり、モニタ類の特性、フィルム診断・CRTモニタ診断・液晶モニタ診断のメリットとデメリット、モニタの見え方の調整とモニタを見る人間の目の特性、ディスプレーの精度管理システム、受け入れ試験、不変性試験、メンテナンスの基準、DICOM Part 14等について詳しい内容の講演が行われた。
 画像が配信された場合に、あるモニタでは見えるものが見えなくなる等の問題が発生する場合があり得るので、これらを考慮してモニタを選択しなければならないという報告があり、会場からモニター選考に関する質問があった。今後、本学会でもモニタの精度管理について積極的に研究していく必要性を痛感した講演であった。
特別講演 16:10〜17:10
 東京大学医学部附属病院放射線部副部長 矢野敬一先生によって「フィルムレス運用におけるHIS.RIS.PACSの連携」のテーマで特別講演が行われた。東大病院で稼動しているフィルムレスシステムについて、システム開発の経緯、システムの構成、検像システム、システム運用とその問題点、フィルムレス運用でのアンケート調査結果、導入コストとコスト節減効果、データ量の変化、故障等についての講演が行われた。
 フィルムレスシステムが稼動して約1年半が過ぎ、稼動までのシステム構築とそれからの運用に関わるアクティブな活動をしてきた中での、問題点とその解決の方法等をわかりやすく、かつ詳細に講演して頂いたので非常に有益であった。
テーマ討論
 17時20分から岡崎市民病院奥田保男学術・企画理事、りんくう総合医療センター小西康彦学術・企画理事を座長に、テーマ討論「日常の医用画像管理と問題点」が開催された。討論では、4名の参加者から画像管理に対する意見・施設で抱えている問題についての発言があった。また、医用画像管理学会を代表して飯野克郎理事から画像の検証システム構築に関する問題提起がなされた。
座長集約
 今回のテーマ討論では、『医用画像管理での問題は?』、『医用画像管理に望む事は?』に関するコメントを会場の参加者に対し求め、医用画像管理学会から『医用画像管理とは?』を参加者に対し問いかけるものとなった。会場からの意見では、医用画像管理の問題としてトラブル時の対応、システム保守、医療情報技師との関係について発言があった。
 システムトラブルの一例として、発生してからわかる(発生しないとわからない)全く想定外の事例について報告された。このような事例について各施設間での情報の共有が重要であるが、現状ではその体制は不十分である。
 また、ベンダーの立場からは、システム構築時に『出来る事』、『したい事』といった機能だけに捉われることなく、『出来なかった場合』、『動かなかった場合』を想定した事前協議がトラブル解決、トラブル発生時の対応に重要であると発言された。システム導入後の保守体制、更新計画などと同様にベンダーと施設間で十分な検討が必要である。
 さらに、RIS、PACSといった部門内システムが、十分な標準化をなされていないまま電子カルテシステムの一部として機能している現状を危惧する意見もあった。確かに、DICOM規格、IHE-Jなど規格自体やその運用については、然るべき場所で検討され続けているが、システム全般の標準化について継続的な検討を行っている場所はないのではないだろうか。「医療情報学会」の中でも、画像分野に関しては十分な検討がなされていないと思われる。この問題は、日本医用画像管理学会が、今後取り組むべきことであろう。
 飯野克郎理事からは、『日常の医用画像管理と問題点』についての問題提起が行われた。問題提起では、画像を提供する立場、提供される立場で、各々の責任と権利についてふれ、特に画像を提供する立場として画像情報の質を保証する事が重要であると結ばれた。『画像を提供する側には、正しく検証された画像情報を提供する責任があり、画像診断を受ける側には、正しく検証された画像情報をもとに診察を受ける権利がある』、『客観的な評価基準のもとに検証していることを明らかにすることが、医用画像の管理(Management)を行う上で、診療放射線技師に課された責務と考える』などを発言のキーワードとして挙げることができる。
 最近では、『医用画像管理』という言葉から『画像サーバ』、『ネットワーク』などの言葉を連想しがちであるが、『医用画像管理』とは本来、画像情報の質を保証する事であり『デジタル化』される以前から叫ばれていることであろう。システムが導入されるとシステム管理に目を向けがちであるが、誤った画像や診断情報の欠如した画像を、システム内で完全にチェックすることは不可能であろう。我々は、24時間稼動し続けるシステムにおいて、日常診療を妨げることがないことを前提にした上で、医療の質の向上に寄与する必要がある。
 今回の討論では、現状報告・問題提起に時間をかけたが『医用画像管理』を再考する機会になったと考える。

 総合司会の池田龍二総務理事より閉会の挨拶がされ、次回は平成16年11月5日に長崎市で開催するので会員の皆様には今後ともご協力頂けるようにお願いがあった。台風一過、東大臨床講堂での春季学術講演会は盛会裏に終えることができた。  
 最後に、会場の借用から運営について東大病院美馬放射線部技師長には格別のご配慮を頂き、深甚の謝意を申し上げことを付記する。

平成16年度春季学術講演会
「−医療画像情報管理へのアプローチ−」開催について
日本医用画像管理学会
会長 阿部 一之
拝啓
 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 平素より、本会運営につきまして格別のご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
 昨年11月、大阪にて創立記念講演会、パネルディスカッションを開催し半年が過ぎようとしております。本学会を設立して2年目にはいり、進化する医療情報管理に対し本格的な活動や展開を考えております。
 さて、このたび平成16年度春季学術講演会「−医療画像情報管理へのアプローチ」を下記のように開催いたします。つきましては、多数皆様の御参加を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
敬具
日 時 平成16年5月22日(土)13:00〜18:00
場 所

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東京大学医学部臨床講堂

〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
内 容 日本医用画像管理学会の紹介
委託研究紹介
医用画像情報管理士制度の概要説明
学術講演 2題
施設紹介
テーマ討論
情報交換会 (*情報交換会は当日受付でご案内致します)
※ 詳細はプログラムにてご確認下さい。
参加費 1,000円
以上
主 催 日本医用画像管理学会
後 援 放射線画像情報システム研究会
事務局 佐賀大学医学部附属病院放射線部
〒849-8501 佐賀市鍋島5-1-1
TEL 0952-34-3890 FAX 0952-34-3177

平成16年度春季学術講演会 プログラム
「−医療画像情報管理へのアプローチ−」
12:00〜 登録受付
13:00〜 開会式
総合司会
総務 池田 龍二
開会挨拶 会長 阿部 一之
学会紹介 会長 阿部 一之
13:30〜 委託研究紹介
14:00  「医用画像管理士制度に関するガイドラインの構築」
 「医用画像管理士に必要な教育課程の研究」 会長 阿部 一之
 「医用画像運用に関する実態調査と標準化」
学術企画
理事 麻生 智彦
14:00〜 学術講演1
15:00  「PACSにおける医用画像管理」
東芝メディカル
システムズ
金子 宏 先生
休 憩
15:10〜 学術講演2
16:10  「フィルムレス時代のモニタ管理」
東陽テクニカ
河野 喜生 先生
16:10〜 施設紹介
17:10  「フィルムレス運用におけるHIS.RIS.PACSの連携」
   東京大学医学部附属病院 放射線部
放射線部副部長
矢野 敬一 先生
休 憩
17:20〜 テーマ討論
18:00  「日常の医用画像管理と問題点」
座長 学術企画
理事 奥田 保男
理事 小西 康彦
18:10 閉会の辞
総合司会
総務 池田 龍二
18:30〜 意見交換会

「医用画像管理士」認定試験の延期について
会員の皆様には、本認定制度に関する情報の提供が遅れましたことをお詫び致します。
 昨年、日本医用画像管理学会(JSMIM)は(社)日本放射線技師会との共同研究によって「医用画像管理士」制度を立ち上げました。本管理士制度の構築については、日本放射線技師会(以下、JARTと略す)が主導するものとして執行するものであり、日本医用画像管理学会は本制度構築に向けてのアドバイザー的役割を担います。本管理士制度の趣意は「診療放射線技師として医用画像管理の専門的な知識と技能を有することにより医用画像管理の向上を図り、国民の保健・医療・福祉への貢献」を目的としています。
 そして、平成16年3月21日(日)に標記試験の実施を公表しましたが、本試験に関する多くの要因等を検討した結果,試験日までに当該因子を解決するには時間が不足しているとの判断のもと、本試験を延期するに至りました。
 会員の皆さんには多大な迷惑をお掛けすることになりますが何卒ご理解の程、宜しくお願い致します。

平成15年度日本医用画像管理学会 総会、学術大会開催報告
編集・国際交流担当理事 飯野 克郎
 2003年11月21日(金曜日)13時から大阪国際会議場にて平成15年度日本医用画像管理学会総会・学術大会が開催されたので、その概要について報告する。
1.総 会
 総会議事に先立ち、加藤雅士会員(広島記念病院)が議長に選任され、書記は小西康彦会員(りんくう総合医療センター)、議事録署名人に奥田保男会員(岡崎市民病院)、麻生智彦会員(東京災害医療センター)が選出された。
 阿部代表世話人の挨拶に始まり、資格審査報告に引き続き、阿部代表世話人より第1号議案から第4号議案の提案が行われ満場一致の賛成で議案が承認された。これにより会則、平成15年度事業計画、平成15年度収支計画書、平成15年度・平成16年度役員が承認された。会則が承認されたことにより資格審査報告から総会が成立となった。
 つづいて、役員承認された阿部会長から第5号議案:平成16年度事業計画案、第6号議案:平成16年収支計画書(案)の提案があり、満場一致で承認された。加藤雅士議長のスムーズな進行で総会を13時15分定刻に終了したが、会場入口では約50名の入会希望者が手続きを行ったので、役員はその対応に追われながらも総会を無事終了することが出来たのは喜ばしい限りであった。
2.設立記念講演会
 15時15分から、日本医用画像管理学会会長阿部一之先生の司会で、アリゾナ大学客員教授岡崎宣夫先生による「医用画像情報管理の日本、海外での将来展望」のテーマで、日本と米国の医用画像情報管理の違いと、これからのあり方について講演を頂いた。会場は満員となり、大盛況の下に設立記念講演が終了した。
3.パネルディスカッション
 13時55分から「医用画像情報管理で放射線技師の果たすべき役割」のテーマでパネルディスカッションが開催され、りんくう総合医療センター小西康彦先生、川崎市立川崎病院吉野秀佳先生を座長として、「診療放射線技師の立場」、「医用情報管理の立場」、「教育界の立場」、「標準に則ったシステム構築を進める観点から」それぞれの立場から4名の講師による話題提供がなされた。
 1)診療放射線技師の立場として、熊本大学医学部附属病院池田龍二先生から診療放射線技師として日常の現場でHIS、RIS、PACSの管理に従事する立場から、診療放射線技師が臨床の現場で、医用画像情報を管理する上で重要な役割として、1)エンドユーザーの立場で最適なシステムの構築と運用。2)現状業務の把握から実際の業務分析。3)システム障害発生時、現場での迅速な対応ができる。一方、システムを利用するユーザーとして個人情報の保護やウィルスを含めたセキュリティに関しても十分に注意しシステムを利用していかなければならない、と報告した。
 2)医用情報管理の立場として、岡崎市民病院奥田保男先生から診療放射線技師を離れた視点で、病院における「画像」は、放射線部門から発生する画像だけではない。たとえば検査部門から発生する画像、自家検査において発生するデジタルカメラ画像・ポラロイドなどスキャナで取り込んだ画像・眼底カメラ・内視鏡画像などがそれに該当する。これらの画像に関しては大半の施設が管理していないのが現状ではないだろうか。 「医用画像管理」を考えるにあたっては<放射線>という概念を外すことも必要と考える。またフィルムレスという流れの中で1画像単位での管理を忘却しているシーンがあるのではないだろうか。技師の責任において作成するもの、管理するものに変化が生じていることを忘れてはならない、と述べた。
 3)教育界の立場として、北海道大学医学部保健学科の小笠原克彦先生から診療放射線技師を教育する立場で、医療情報学、特に医用画像管理を中心として、大学教育、大学院教育、卒後教育についてそれぞれの教育課程と問題点を検討しながら、教育の中における医療情報学の位置づけ、医用画像管理士制度と今後の可能性について教育の立場からの意見を述べた。大学教育では医療情報学教育の現状を紹介するとともに、新・国家試験における医療情報学の位置づけと教官の資質の問題点について報告した。大学院教育では「専門職大学院」について、卒後教育については「on-line教育(e-learning)」についてそれぞれ提案を行った。医用画像管理士制度については、ビジョンとガイドラインを明確にする必要性と他学会との協調について意見を述べた。
 4)標準に則ったシステム構築を勧める観点で、(社)日本画像医療システム工業会DICOM委員長篠田秀範先生からHIS、RIS、PACSのベンダー側としてDICOM、IHE-J等の標準化の動向と診療放射線技師の評価とこれから共に何をやればよいか、医用画像情報管理の現場でのあり方について話題提供がなされた。
 座長からそれぞれのパネラーに質問があり、時間の関係で十分なディスカッションの時間がとれなかったが、今後の医用画像情報管理をとりまく環境(医療情報教育を受けた放射線技師の登場・医療情報・標準化)の変化を認識できた。また、現状の医用画像情報管理を将来に繋げる必要性も報告された。
 最後に、座長から今回の企画および日本医用画像管理学会のこれからの活動が会員の要望に応えられるようにと結ばれ、ディスカッションが終了した。
 総合司会の飯野理事より閉会の挨拶で、次回は平成16年11月長崎市で開催するので会員の皆様に今後ともご協力頂くようにお願いし、大阪学術大会は盛会裏に終えることができた。

平成15年度日本医用画像管理学会 総会・学術大会のご案内
日 時
11月21日(金) 13:00 15:00
会 場
大阪国際会議場第4会場 大阪府大阪市北区中ノ島5-3-51
 
<プログラム>
13:00〜13:15 第1回総会 司会
(財)脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 飯野克郎
13:20〜13:50
設立記念講演会
「医用画像情報管理の日本、海外での将来展望」
アリゾナ大学客員教授 岡崎 宣夫先生
司会 佐賀大学医学部附属病院 阿部一之
13:55〜15:00
パネルディスカッション
「医用画像情報管理で放射線技師の果たすべき役割」
パネリスト
診療放射線技師の立場から
熊本大学医学部附属病院 池田 龍二
医療情報管理の立場から
岡崎市民病院 奥田 保男
教育界の立場から
北海道大学医学部保健学科 小笠原 克彦
標準に則ったシステム構築を進める観点から
(社)日本画像医療システム工業
DICOM委員長
篠田 英範
座長 りんくう総合医療センター市立泉佐野病院 小西 康彦
川崎市立川崎病院 吉野 秀佳
 
日本医用画像管理学会 JSMIM
学会事務所
〒849-8501
佐賀市鍋島5-1-1 佐賀医科大学医学部附属病院放射線部内
TEL 0952-34-3890 FAX 0952-34-3177