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日本消化管画像研究会
 
消化管画像研究会設立の趣意
 
日本消化管画像研究会会長 小川利政
 
 本邦における胃がん死亡率の低下は、目覚しいものがある。この大きな要因として、集団検診が挙げられることは論を待たない。特に日本人に多い胃がんの集団検診において、胃X線間接撮影が大きく寄与しているところは、万人の認めるところであり、胃X線間接撮影の担い手が診療放射線技師であることは、周知のことである。
 近年、内視鏡機器の発展と共に胃X線間接撮影の精度が云々されている。集団検診に内視鏡検査導入が検討されて久しいが、現状においてはマンパワーや処理能力等の問題により未だ全国的な展開には至らず、今後もその可能性は低いと思われる。
 胃X線間接撮影は当然のことながら、病・医院における上部消化管・下部消化管造影検査のほとんどが、私たち放射線技師に委ねられている。消化管造影検査が放射線技師の手に移行してから、検査精度が落ちたということをよく耳にする。何故か?
 白壁・市川により開発された消化管X線二重造影法は、優れた検査法であるが、その技術の習得は容易でない。消化管造影検査の習得は、徒弟制度的な教授がほとんどで、システム化された教育法が無く、検査に従事する技師は、勤務施設の先輩の技術を見様見真似で、五感で覚えてきた。そのために施設間による検査技術の格差が大きく、これが検査精度の低下につながっているといっても過言ではない。
 検査精度の劣るモダリティは遠からず消滅する。これは歴史が証明している。消化管造影検査もこの路を辿るのであろうか。私達はこの辺を憂慮し、日放技に消化管検査指針委員会の設置をお願いし、委員会で消化管検査の教育体制を骨子とする最終答申書を提出した。答申後も当時の委員を中心に、検査精度向上を目的とする技師教育のための出版事業、鈴鹿教育セミナーでの講義担当、各県での注腸標準化運用の研修会開催、接遇教育の出張講演、および被ばく線量低減のための機器精度管理等の学術発表を行い、活動を継続し消化管検査に携わる放射線技師の検査精度向上を目指し啓発に努めてきた。
 今回、日放技の学会等の設置規程に基づき「日本消化管画像研究会」が承認された。今までの活動のさらなる充実と、日々進歩する医療に対応すべく、新しい消化管検査分野の研究ならびに指針委員会発足当初のスローガンである「患者中心の医療の確立」「医療の質的向上」を目標に活動を行う所存である。本会の目的と達成のための事業の概要を下記に示す。
 
 【目的および事業】
 消化管造影検査およびこれらに関連のある研究(事業)の推進および情報交換と技術交流を図り、全国における普遍的な検査(画像)水準と精度向上ならびに検査の広報をもって、国民の保健向上に寄与することを目的とし、次項にあげる事業を遂行する。
1)
研修会、講演会および講習会等の学術的会合の開催
2) 検査精度向上の一環として次の5班を設置し、研究活動を行う。
レポート作成班
注腸標準化班
被ばく線量測定班
デジタル画像班
X線TV撮影装置機器精度管理班
3) 研究会ホームページを中心とする会員相互の情報交換
4) 検査精度向上のための図書の刊行
5) その他目的達成に必要な事業
 本会を運営・継続活動することにより、“消化管検査の精度向上”を科学的な立場から研究し、また“受検者に優しい検査”の実践を確立することと合わせて、日本人に多い消化管癌の早期発見により死亡の減少とQOLを向上させることで、国民の健康維持に大いに寄与できると確信する次第である。
 消化管検査に携わる方やこれから取り組もうとする情熱ある方のご入会をお待ちしています。
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