生涯教育システムの目的

 診療放射線技師は安全かつ良質な医療を国民に提供する重要な役割を担っており、高度医療に即応し国民への利益追求を常に目指さなければなりません。この生涯教育システムは、会員の主体性を重んじるとともに継続教育の規準と目標を明確にし、それにより得られる医療人としての資質の向上をもって国民の健康増進、および生活の質の向上に貢献することを目的としています。

 このため、本生涯教育システムは診療放射線技師養成教育課程にて不足している医療人として最低限必要な科目を学習することや、養成教育の高等教育化への取り組み、そして国民に安全かつ質の高い医療を提供することなど、診療放射線技師の職業の発展を考えるとともに国民の視点に立って作られたシステムです。本会会員のみならず全ての診療放射線技師は、医療人としての本質を追求し、診療放射線技師の質の向上と自己研鑽に励むとともに、真の医療を国民に提供し社会の趨勢に応えていくことが求められています。

カウントの定義

 本生涯教育システムにおけるカウントの定義は1時間の学習につき1カウントとなります。ただし、国際学会(ISRRT、AACRT、EACRT)参加については1時間の学習につき2カウントとなります。
  • カウントの定義:1時間の学習につき、1カウント
  • 国際学会の参加:1時間の学習につき、2カウント

カウントの付与

 生涯教育システムに関連するカウント諸表を以下に示します。なお、カウントは大きく分けて、講習受講や認定資格取得など学術研修に関する学術研修カウント、学位取得に対する学位カウント、学術論文や著書による著述カウント、診療放射線技師の専門性を生かした公益事業や国民に直結した事業を推進した社会活動カウントに大別されます。

学術研修カウント

 学術研修カウントは、診療放射線技師基礎講習の医療基礎コースや基礎技術コース、応用技術コースなどの講習会受講、日本診療放射線技師会が認定する認定資格の取得、日本診療放射線技師学術大会での研究発表や参加などにより得られるカウントです。表1は診療放射線技師基礎講習医療基礎コースの受講カウントおよび認定カウントになります。また、表2は診療放射線技師基礎講習基礎技術コースおよび応用技術コースの受講カウントおよび認定カウントになります。受講カウントはそれぞれの講習会を受講することで付与されるカウントです。認定カウントは講習会受講後に実施される確認試験、もしくはe-learning受講後に実施される確認試験に合格することで付与されるカウントです。表3は認定資格による受講カウントおよび認定カウントとなります。なお、JART共同認定資格については、JARTが認定機構に参加している団体が認定する認定資格となります。

 診療放射線技師基礎講習医療基礎コースについては、大学などで既に単位認定されている方もいます。免除科目に該当する単位取得者は、本会が定める科目に対して受講および試験を免除しますが、免除科目となる単位認定に関して大学などの成績証明書およびシラバスをもとに個別認定します。この場合、受講カウントは付与されません。

 日本診療放射線技師学術大会や日本診療放射線技師会が認定する国際学会などでの研究発表を行った場合は、参加登録することで自動的にカウントが付与されます。学術大会への参加によるカウントは1時間につき1カウント付与されますが、学会当日に必ず会員カードによる受付をする必要がありますので注意してください。なお、表4に学会研修会によるカウントを示します。JARTが認定した国際学会は現在のところ、ISRRT、AACRT、EACRTとなります。
 都道府県放射線技師会などが主催する研修会やセミナーなどでも学術研修カウントが付与されることがありますが、主催者からの事前申請が必要となります。カウント付与の対象となるかどうかは必ず主催者にお問い合わせ下さい。
  表1 診療放射線技師基礎講習 医療基礎コース
科目受講カウント認定カウント
看護学(2単位) 15 20
救急医療学(1単位) 15 20
医療安全学(1単位) 15 20
医療社会倫理学(1単位) 15 20
表2 診療放射線技師基礎講習 基礎技術コース、応用技術コース
科目受講カウント認定カウント
一般撮影 20
乳房撮影 20
消化管撮影 20
X線CT検査 20
MRI検査 20
核医学検査 20
血管造影検査 20
超音波検査 20
放射線治療 20
画像等手術支援 20
腹部画像診断検査法と異常所見 20
表3 認定資格
認定認定資格受講カウント認定カウント
JART認定 放射線管理士 20 100
JART認定 放射線機器管理士 20 100
JART認定 医療画像情報精度管理士 20 100
JART認定 臨床実習指導教員 20 100
JART認定 Ai認定診療放射線技師 20 100
JART認定 上部消化管認定診療放射線技師 20 100
JART認定 下部消化管認定診療放射線技師 20 100
JART認定 画像等手術支援認定診療放射線技師 20 100
JART認定 放射線被ばく相談員 20 100
JART共同認定 放射線治療専門放射線技師 100
JART共同認定 X線CT認定技師 100
JART共同認定 磁気共鳴専門技術者 100
JART共同認定 核医学専門技師 100
JART共同認定 救急撮影認定技師 0 100
JART共同認定 放射線治療品質管理士 0 100
JART共同認定 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 0 100
表4 学会研修会
学会名分類期間等カウント
日本診療放射線技師学術大会 研究発表
座長
参加
1回につき
1回につき
1時間につき
45
15
JARTが認定した国際学会(ISRRT、EACRTなど) 研究発表
座長
参加
1回につき
1回につき
1時間につき
90
30
JARTが承認した研修会等(事前に申請があったものに限る) 参加 1時間につき

学位カウント

 大学や大学院の所定の単位を履修し卒業もしくは修了した者に与えられる学位に対して付与されるカウントです。ただし、最終学位を学位認定とするため『学士』、『修士』、『博士』それぞれのカウントを加算することはできません。
表5 学位
学位カウント
学士 750
修士 1500
博士 3000

著述カウント

診療放射線技師の業務に関連する著書や学術論文に対して付与されるカウントです。学術論文については査読付きのものに限り、原著以外の論文、例えば、研究速報やノート、症例報告などについてはカウント数を1/2とします。また、日本学術会議協力学術研究団体の学会誌以外の商業誌などにはカウント付与されませんので注意してください。学会発表の抄録や講演録などについてはカウント付与の対象外となります。

 なお、平成26年12月現在、JART承認学会は日本放射線公衆安全学会、日本放射線カウンセリング学会、日本医用画像管理学会、日本放射線技師教育学会の4学会となっています。

 著書については、ISBN登録されており、診療放射線技師業務に関連する著書にのみカウントが付与されます。診療放射線技師業務に関連しない著書についてはカウント付与の対象にはなりませんので注意してください。
表6 学術論文
種別カウント
日本診療放射線技師会誌
JART承認学会雑誌
JART承認海外学術誌
筆頭著者400
共著者  20
日本学術会議協力学術研究団体の学会誌 筆頭著者200
共著者  10
表7 著書
種別カウント
JART編集もしくは監修の書籍 100
その他の書籍 50

社会活動カウント

 社会活動は日本診療放射線技師会が実施する調査事業への協力や診療放射線技師の専門性を生かした公益事業を指しており、社会活動カウントはこれらの事業に参加もしくは協力した者に対して付与されます。なお、平成28年度から社会活動カウントについては生涯学習から切り離して運用することになりました。

生涯教育の到達目標と称号

 生涯にわたる自己研鑽により診療放射線技師として資質向上に努め、医療の質の向上に貢献している診療放射線技師として証明するため、生涯教育の到達目標を定めています。各称号に応じた到達目標は以下の通りとなります。生涯教育の到達目標と称号については生涯教育基本規程(平成24年12月15日施行)にて規定されています。認定は3か月ごととなっており、システムで自動的に4/1・7/1・10/1・1/1に処理されます。

なお、生涯教育への積極的な参加を促すため、平成26年度より年度ごとに学術カウント取得上位者について日本診療放射線技師学術大会にて表彰しています。

アドバンス診療放射線技師

次の各号の全てに該当する診療放射線技師に対してアドバンス診療放射線技師の称号を付与します。
  1.   診療放射線技師基礎講習医療基礎コースの4科目(看護学、救急医療学、医療安全学、医療社会倫理学)を全て修了した者
  2. 本会生涯教育カウント300カウント以上を取得した者

シニア診療放射線技師

アドバンス診療放射線技師の称号を受け、次の各号のいずれかに該当する診療放射線技師に対してシニア診療放射線技師の称号を付与します。
  1.  学士号を有する者
  2.  本会生涯教育カウント1,000カウント以上を取得した者

マスター診療放射線技師

シニア診療放射線技師の称号を受け、次の各号のいずれかに該当する診療放射線技師に対してマスター診療放射線技師の称号を付与します。
  1. 博士号を有する者
  2. 本会生涯教育カウント3,000カウント以上を取得した者

表彰制度

学術カウント取得上位者

 生涯教育基本規程第6条に基づき、生涯教育に積極的に取り組んだ診療放射線技師に対して表彰を行います。表彰者は10名以内とし、賞状と副賞(盾)を授与します。
 本表彰の対象とするカウントは、対象年度におけるJART主催講習会受講カウント、学術大会参加カウント、学術大会発表カウント、都道府県技師会学術参加カウント、JARTが認定した国際学会発表カウントとし、学位実績、著書、論文、座長カウントは対象としません。また、表彰対象者は日本診療放射線技師会員のみとし、一度表彰を受けた者は対象となりません。なお、現職の日本診療放射線技師会役員は対象となりません。
 継続して生涯教育に取り組んでいる会員を表彰する制度については、今後検討する予定です。
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